代表挨拶

一般社団法人日本専門看護師協議会 代表 市原真穂

 2023年6月より一般社団法人日本専門看護師協議会代表理事に就任いたしました市原真穂と申します。精一杯努力いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 この数年間をみてもCovid-19、災害等、まさにVUCA時代を象徴するような出来事が続きました。いつも通りの当たり前の生活を維持し、健康であり続けることそのものが、これほどまでに簡単に崩れ去るということを知る日々であったことと思います。このような状況の中で専門看護師は、各地の最前線で任務を果たし、各種メディアでも取り上げられることも増え、普段医療との接点が少ない一般の皆様にも存在を広く知られることとなりました。
 専門看護師は、看護師としての5年以上の実践経験を経た上で看護系大学院の専門看護師教育課程で修士号を修得したのち、公益社団法人日本看護協会による認定審査に合格し、卓越した看護を実践できると認められた看護師です。「専門看護師」という名称は、厚生労働省により医療に関する広告が可能な専門性資格として認められています。日々の生活や健康を脅かす出来事の複雑さが増し、将来の予測が困難な時代だからこそ、一人ひとりの健康や病気に関連した状況や背景、課題となる構造を読み解き、医療、保健、福祉、行政、教育等、縦割りになりがちな制度や支援をつなぎながら、一人ひとりの健康をデザインできる専門看護師の力が求められているといえるでしょう。
 日本専門看護師協議会は、専門看護師自らの高度実践の質保証、活動の場の拡大、これらを通して看護の質の向上を図り、国民の健康の維持・増進のための政策提言、その実現にむけた活動をすることを目的として2007年に発足しました。2017年には一般社団法人となり、より社会性や公共性の高い事業展開に取り組んでいます。2023年7月現在、専門看護師14分野3155名のうち、1879名が本会の会員です。発足からの年月が浅く若い団体ではありますが、大学院教育と豊富な実務経験によって裏打ちされた構造を読み解く力と行動力を兼ね備えた会員とともに、未来を見据えた実践的集団として機能したいと思います。
 なお、本会は、今期の重点課題を、高度実践看護の明確化とし学術団体としての組織を整え、専門看護師の存在意義を示すことです。
 引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(2023年9月)

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